スノーピークにファンが集まる理由

この話は、お客さんに喜ばれる商品を生み出すとか、企画するのに役に立つと思います。今日紹介する会社は日本のキャンプ用品メーカーのスノーピーク(Snow Peak)

 

キャンプブームもあって、この1年で株価は3倍くらいになってますし、会長の方がカンブリア宮殿でお話しされてたり、社長の方がインタビューに出てたり言うまでもなく超凄い会社。

 

ちょっと余談なんですが、「オートキャンプ」っていう言葉を知ってますか?車で寝泊まりしながら各地を回るとか、テントを貼る場所まで車で乗り入れてキャンプする。みたいな言葉だと思うんですが、この言葉を生み出したのもスノーピークです。

 

そんなスノーピークの商品って、物によっては値段が競合の3倍とか5倍とかでも売れてるんですね。テントを地面に固定するペグなんかも他の4倍とかの値段。

 

でも、売れる。そしてスノーピークには「スノーピーカー」って呼ばれる超熱烈なファンがいます。

 

例えば、年間購入金額20万円以上のお客さん。それだけでも全体の7%ほどらしく、累計100万円以上購入するブラック会員に関しては、、、数にしてどのくらいいると思いますか?

 

なんと、2020年時点で5000人って言われてます。100万円以上購入者が5000人ですからね。すごい熱烈なファンと数です。

 

では、これだけお客さんを熱狂させるスノーピークの凄さは何でしょうか?もちろん、商品にかける想いは凄いです。実際にフライパンも数mm単位で厚さを調整して、何個も試作して耐久性と機能性を追い求めたなんて話もあります。

 

でも、商品への情熱だけであれば多くの会社も同じはずです。でも、なぜスノーピークは「焚き火台」や、最強ペグと言われる「ソリッドステーク」のようなヒット商品を生み出せるのでしょうか?

 

ちなみに、会長の著書では「マーケティングはしない」と書かれていますし、あるインタビューでも他社のマネのようなことはしないと話をされています。

 

それでも、値段が比較的高いのに売れているんです。例えば、1980年後半、ほとんどの会社のテントなんかは、2万円程度でした。が、snowpeakが売ったテントは16万8000円。約8倍の値段です。「売れるわけない。」って言われたようですが、、、蓋を開ければ一年で100張を販売。つまり1600万円分売れたということ。

 

でもなんでこんな高いのに売れたのか?というと、snowpeakの現会長の山井氏が、自分でテントを使ってみて本当に欲しいものを追いかけたら高くなった。けど、使い勝手は超いいので売れた。というわけです。実際に自分がお客さんとして欲しいものを作ったわけですからね。

 

とはいえ、snowpeakもずーっとうまくいってたわけではなくて、90年代前半にはキャンプブームが落ちて、減収。

 

そんな時にお客さんとキャンプをするイベント内で、お客さんの話を聞いたところ、品揃えの悪さや値段の高さを指摘されたそう。その後、流通網を改善したり、焚き火台の発売などし、売上が回復したんです。

 

改めてまとめると、スノーピークが上手くいっている理由。それは、商品の企画や、値段を下げるための工夫、流通網の改善など、色んな要素があります。ですが、一番の成功理由。それは

 

「お客さんの話を聞くこと」ではないでしょうか?

 

商品を選ぶのはお客さんです。売れるかどうか決めるのかもお客さんです。

 

だからこそ、お客さんの悩みや欲しいものをよく聞く。販売する自分たちも商品を使って、改善する。「お客さんの話を聞くこと」言われてみれば当たり前かもしれませんが、とても大事なことです。

 

P.S.

 

スノーピークは新潟の燕三条発の会社。自分が新潟に住んでるのもあって、超凄いなって思ってます。(住んで短いけど勝手に嬉しくなってる)

 

ちなみに新潟駅にも燕三条の金物なんかが売ってるし、義理の弟やおばあちゃんが燕の金物、スノーピークのグッズ持ってたり、ふらっといったお店にスノーピークの椅子が置いてあったりもしたんですが、どれも凄いです。軽いし、強い?能力高いっていったらいいんですかね?とりあえず「すご!!」ってなります。